不耕起稲作

田んぼの学校

不耕起水田の生き物たち

 いきなり耕すのをやめると、驚くようなことが次々と起こります。トンボやタニシ、藻などが爆発的に発生し、「生き物がいっぱい!」と嬉しくなります。それまで、生物相の乏しかった田んぼに何かの種が放たれると繁殖し放題の状態になるのでしょう。何年かす...
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耕さない「田んぼの学校」のすすめ 第3章 「田んぼの学校」に適した稲の栽培スケジュール

第3章 「田んぼの学校」に適した稲の栽培スケジュール 「田んぼの学校」を運営するとき、私の住む滋賀県湖東地方における慣行の稲作スケジュールに従うと、4月上旬に播種、4月下旬から5月上旬に田植え、8月下旬から9月中旬に収穫となります。これでは...
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耕さない「田んぼの学校」のすすめ 第2章 耕さない「田んぼの学校」が大切にしていること

第2章 耕さない「田んぼの学校」が大切にしていること① 冬期湛水 不耕起稲作は収穫を終えた秋から始まります。耕さずに水をはると、土の中の生き物が活動して、土が肥沃になります。そのため肥料のいらない田んぼになります。また、生物多様性の出発点で...
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耕さない「田んぼの学校」のすすめ 第1章 耕さない「田んぼの学校」は環境教育

第1章 耕さない「田んぼの学校」は環境教育 小学校5年生の社会科で、農業について扱われていますが、滋賀県がすすめる「田んぼの学校」は、学校現場では単なる農業体験学習として扱われているように感じています。本来「田んぼの学校」は、地域とのつなが...
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不耕起稲作による生物多様性の実現とその体験・理解 8章 まとめ

8 まとめ 農業(稲作)の近代化がもたらしたものは、省力と言いながら実際は不必要な農作業の積み上げであった。田植え機を用いるための大型トラクターによる過剰な代掻きとそのために必要となる強い中干し、田植え機で植えやすい弱小な苗のための殺菌剤・...
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不耕起稲作による生物多様性の実現とその体験・理解 7章 農業の多面的機能の検証 

7 農業の多面的機能の検証 農業のもたらす国益として先ずあげられるのは、食料の安全補償である。にもかかわらず日本における食料の自給率が低い水準に留まっていることは、広く知られていることであるが、輸入食料品に対抗し、国内の農業を保護するため、...
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不耕起稲作による生物多様性の実現とその体験・理解 5章 バケツ稲による「田んぼの学校」

5 バケツ稲による「田んぼの学校」5-1 バケツ稲の生育 都市部で「田んぼの学校」を実施しようとしても、学校の近くに水田が無くバケツを用いた稲作が行われる場合が多い。JAなどのホームページに「バケツ稲栽培マニュアル」が掲載されているのを見受...
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不耕起稲作による生物多様性の実現とその体験・理解 4章 不耕起稲作による「田んぼの学校」

4 不耕起稲作による「田んぼの学校」 水田に常時湛水しビオトープ化する取り組みの報告をホームページ上で見受ける。水田の半分を常時湛水のビオトープとし、あと半分に慣行農法による稲作を行う「田んぼの学校」の取り組みがある。ビオトープと稲作とを別...
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不耕起水田による生物多様性の実現とその体験・理解 3章 稲作と生物多様性

 3 稲作と生物多様性多くのカエルは水田のような浅い湿地で産卵する。耕起や代掻きなどの撹乱は多くの生物にダメージを与える。水田の生き物は農事カレンダーに結びついた生育を示し、この撹乱を避けてきたのである。 湿田では、冬期から産卵期に入る両生...
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不耕起水田による生物多様性の実現とその体験・理解 1章 はじめに

1 はじめに環境省のレッドデータブックの絶滅危惧種Ⅱ類にメダカが記載され、メダカがにわかに世論の注目を集め、メダカを絶滅から救うための「メダカの学校」運動が日本の各地で取り組まれるようになった。メダカに限らず絶滅を危惧される生物種の多くは水...